沖縄遺骨収集に参加して
 
金光八尾高校28期卒業生 西川 由芽

 私は今回初めて沖縄遺骨収集に参加させていただきました。きっかけは、近藤先生から昨年の遺骨収集の活動のお話を聞いたことです。
戦争というものに関わることがほとんどなくなってしまった今、遺骨収集に参加することで実際に現地に行き、空気に触れ、私もお役に立て
るなら是非参加したいと思い、今回参加することを決めました。

 沖縄に着いたその日、私は初参加だったため、沖縄戦について先取り学習をするために、先生と沖縄平和祈念資料館へ向かいました。私
はそこで想像を遥かに越えるような事実を目の当たりにしました。写真を見るだけでも心苦しかったし、当時の住民が書き残した証言を読ん
だとき、なぜ人間同士ここまで残虐なことができるのかと疑問も浮かびました。

 2日目から遺骨収集がスタートしました。はじめに那覇教会の林雅信先生からご挨拶があり、その中に「遺骨発見数をゼロに」という言葉が
ありました。私はその言葉を聞いて、もし今もなお戦地で眠り続けている方がいるなら必ず発見したいと思いました。そしていよいよ現地に足
を踏み入れたとき、私はジャングルの険しさよりも驚きを隠せなかったことがあります。それは戦後その場に廃棄されたゴミの多さです。遺骨
を探そうにも何十年もの間に積み重なったゴミの層があるので、作業がかなり困難なものになりました。班員で協力して掘り続けると、人間の
骨と思われるものが発見されました。今でも眠っている遺骨は本当にあるんだと、分かっていたはずのことなのになぜか驚いてしまいました。
また、ゴミの中で居心地悪かっただろうなと思いました。午後からはガマの中に入って活動を行いました。岩と岩の間の奥の方まで入り、暗闇
の中で作業をするのは初めてなので、岩は崩れてこないだろうかなど正直かなり恐怖に感じました。しかし、当時の人はここで私が感じたよう
な恐怖よりも、いつ敵に見つかって殺されるかわからないという恐怖と戦って生きていたのだと思うと生きた心地もしなかっただろうなと心が苦
しくなりました。作業を進めていくうちに遺骨や当時の武器、ヘルメットなどたくさん発見することができました。

 2日間の活動でこれだけ発見できたのなら、きっとまだまだ遺骨は眠っているのだろうなと感じました。今回のように実際に現地へ行き、遺骨
や武器に触れることができ、本当に貴重な体験をさせていただいたと思います。金光教沖縄遺骨収集奉仕は今回で終了になりますが、「遺骨
発見数ゼロ」を目指して、またこのような機会があるならまた参加させていただきたいと思います。

  「和らぎ」バックナンバーへ